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1.ポリエチレンの種類について

(1) 高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)

一番スタンダードなポリエチレンで、良くビニール袋と称されているものです。
透明で、柔軟性に富み、引裂き強度、引張強度に平均的に優れ、食品の包装からドラム缶の内袋まで幅広く使用されております。

(2) 直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)

これが、上記LDPEと判別がつきにくいポリエチレンです。
我々、専門のオペレーターでも判別が困難です。これを判別するには、IR分析とか熱量(DSC)分析をしない事には断定した判別は不可能です。
しかし、ポリエチレン樹脂段階の製造方法は高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)とは異なっており、エチレンの重合過程が「イオン重合」ですので弊社では中低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)に近い要素もあると判断致しております。
それは、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)の性質を加味する為、重合時点で炭化水素の種類によりC-4LL(ブテン-1)・C-6LL(ヘキセン-1)C-8LL(オクテン-1)をコモノマーとして少量共重合させ、分子鎖に短分子鎖を多く持つように設計されているからです。
一般的なLLは、C-4 LLでほとんどがこのタイプです。LLDPEは、LDPEより歴史的にも新しくシール諸性能、物理的強度に優れたポリエチレンです。

(3) 中低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)

代表的な用途としては、スーパーで買物をした際、商品を入れる為に使用するレジ袋(ポリ袋)です。
この袋は15μm~25μmと非常に薄く「極薄フィルム」「強化フィルム」と呼びます。
レジ袋は、乳白色(酸化チタン)の着色剤を添加されたものですが、着色剤を入れていない物でも「半透明=すりガラス」状で、LDPEに比べるとコシが強いので、極薄フィルム(10μm~30μm位)として利用されます。
また、厚みが50μmとか100μmになると、ゴワゴワ感が出てしまい柔軟性にかける為、特殊用途にしか使用されません。

引張強さはLDPEと比較しますと非常に優れるのですが、縦方向(y軸)への方向性が強く(分子鎖は直線状で分岐があまりない構造)、引裂強さに劣り一度フィルムに切れ目が入るとスッと破れてしまうのが欠点です。

(4) メタロセン触媒直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)

最近鳴り物入りで登場してきたポリエチレンで、メタロセン触媒で重合されたLLDPEです。
従来触媒(チーグラーナッタ触媒)と比較して非常にシャープな分子量分布を示し、コモノマーの分布も均一ですので、引裂・引張・突刺強度・耐ピンホール特性に卓越した性能を誇るポリエチレンです。
余談ですが当社で引張強度を測定した際、フィルムが破断せずに機械がMAXまで引張ってしまったというぐらい強いフィルムです。
機械強度が大きいという事は、薄肉化(ゲージダウン)が可能ということですので、今後環境負荷の低い材料と言えます。
【 図1 】 大別したポリエチレンの種類
公式サイトはこちらから
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