8. 無添加タイプって?
◆ LDPEとLLDPEの違い
弊社では医薬品向けポリ袋のほとんどがこの無添加タイプなのですが、基本的に無添加原料は、ラジカル重合タイプのLDPEのみしか存在しないと考えられます。なぜかと申しますと、LLDPEではイオン重合のため必ず反応時触媒が使用されます。
一般のLLDPE は四塩化チタンを含有した塩素系触媒が使用されます。したがって、塩素には腐食性がありますので、中和の為に「ステアリン酸カルシウム」などを添加します。すると塩化カルシウムやステアリン酸等が生成されてしまいます。一部、非塩素系触媒のタイプもあるにはあるのですがほとんどがこのタイプです。
次に、LDPEですがラジカル重合(活性重合)ですので触媒は原則的に使用しません。よって、重合直後のポリエチレンは無添加の状態ですが(ラジカル開始剤とかコンタミネーション等々は除く)、その後の工程で前述の添加剤を随時添加していくのです。よって、無添加とは出来あがったそのままの原料タイプなのです。
それでは、無添加のほうが良いではないかという問題も発生するのですが、生産性(コスト)、ハンドリングを考えると添加剤が混入されてしまうのもやむを得ないかも知れません。