30.ポリエチレン袋の生産ロットについて
我々が製造販売する「ポリ袋」は、サイズの比較的小さい「規格袋」を除きほとんどがカスタマイズ生産です。
お客様に「厚み」(○○μm、0.○○mmと表現します。)「幅」(なぜかこの業界は、cmではなくmmで表現します。)「長さ」(これもmmで表現します。よって、2メートルなら2000mmと表現します。)を自由に設定して頂き、ご用命のサイズ通り生産致します。
設定する「幅」も「長さ」も最低5mm単位から設定が可能ですが、実際のご注文のほとんどが10mm単位で設定頂いております。
これは、JIS規格の幅・長さの公差に関連しているためではないかと思われます。
よって、当社では200L用ドラム缶内袋サイズであれば、「0.1mm×950mm×1700mm」のサイズをご用命頂く場合もあれば、「0.1mm×980mm×1700mm」をご用命頂く場合もあるわけです。
ここで、問題となりますのが製造する上での最低単位、要は生産ロットです。
それでは、生産ロットは何に基づいて決まるのでしょうか?
これは、ポリエチレンチューブ(袋になる前の段階の原材料)を生産するメーカー様により異なります。
生産するに当たり、生産するサイドにおいては最低限の経済ロット、購入頂くお客様側にとっては許容される範囲での最大ロットでなければなりません。
ただ、極端に申しますと「希望したサイズの袋が10枚あればよい!!」となってしまいますと、ポリエチレンチューブを生産する際には、チューブを規定の厚みやサイズに設定し、チューブの生産が安定してから初めて製品と致しますので、その間は製品とならないロス品もご用命の数量に関係なく発生致します。
まして、使用する樹脂原料がお客様固有の指定されたグレードであれば、押出機の中にも以前のグレードの残留樹脂が滞留していますので、これらの樹脂も置換しなければならずロス品の発生量はさらに大きくなります。
以上のことから、10枚だけとなりますとそれらのコストが全て10枚のポリ袋に分配され、お客様側からすると1枚が異常に高い袋となってしまうのです。
それでは、最低ロットは何を基準に決まるのか? です。 これはあくまで一般論ですが、ポリエチレンチューブの生産するM数と樹脂重量の相関関係で決まると言われております。(一概に最小公倍数とは限りませんが・・・・)
この量はメーカー様により差異はありますが、当社では大まかに生産M数は3000Mと樹脂重量は200kgが目安であります。
要は、袋の厚みが分厚くサイズが大きければ大きいほど、生産ロット枚数が小さくなります。
また、その逆に袋の厚みが薄く、かつサイズが小さければ、5万枚とか10万枚のようにある意味膨大な枚数になってしまうのです。
お客様からよく、「そんな量だったら10年分ある」とお叱りを受けます。よって、サイズの小さな袋には、あらかじめある程度の範囲で寸法を規格化した「ポリエチレン規格袋」があり、少量でデリバリーできるようになっております。当然当社もご用意致しております。!!
これからの時代は、「エコ」「地球に優しい」が叫ばれる時代です。お客様が、「それくらいの大きさの違いなら問題ないよ・・・・」とご理解頂ければ、我々生産者も小さなサイズの規格袋のように、大きな袋も規格化すれば、「必要な数量を必要な分だけ・・・・」の対応が可能なのですが、現在ではなかなかそのようなわけにはいかないのが現実です。
海外、特にヨーロッパあたりではある程度「規格化」が進んでおりますので、ご使用頂く側、生産する側ともお互いに理解を示されて実績があるようですが、『大は小を兼ねる』ということわざは日本で定着するかどうかは?!!