34.フィルムの思いもつかない用途!!
ホームページからのお問合わせによって機能性フィルムの新たな用途が見出される事がございます。一概に機能性フィルムと言っても沢山の種類があります。『耐有機溶剤フィルム』『ブリードアウトしないで金属練り込みも無く被包装物が可視可能な帯電防止フィルム』『金属の錆びを発生させない防錆フィルム』『カビや微生物を寄せ付けない抗菌フィルム』etc…。様々な機能性フィルムがありますが、我々が用途を考えてお客様へ製品をご提供させて頂ける事は非常に限られた業界となります。やはり包装業界において化学業界や医薬業界を主体に商売させて頂いております事から、既存のお客様への商品展開を考えてしまいがちになり固定概念が邪魔する事が良くあります。その様な固定概念を一蹴してくれるのがホームページとなっています。ホームページは不特定多数の方に商品をご覧頂け、我々が考えも及ばなかった発想で新たな用途をご提案頂きます。
実は先般も木材(主に内装材など)を製造販売しておられる会社様よりお問い合わせを頂き、当社のUVカットフィルムのお引き合いを頂きました。木材にUVカット???? と当初は「?」が並んだ状態でした。お話をよくよくお聞きすると、木材は紫外線の影響によって短期間で変色するそうで、濃色の木材は明色化し、淡色の木材は暗色化し、その後は一般的に薄い灰色になるそうです。その詳しい過程は我々の頭では理解不能でしたが、初期の段階の変色は光酸化に伴う木材成分の化学構造の変化によるものだそうです。(特にリグニンやポリフェノール類は紫外線を吸収しやすい構造をもっているそうです。)分解された成分の多くは水に溶けやすくなって、雨水により容易に木材表面から流れ出て、表面層はリグニンが消失しセルロースに富んで灰色化するそうであります。
この様な製品として実質強度等には一切問題無いにも関わらず、劣化した見た目の感じから『紫外線の影響により変色や退色した木材』は、『節』や『青カビによる変色』と同様に問屋様をはじめ小売業者様にも敬遠され値段を買い叩かれるものもあるそうです。さらに、それが高級木材であれば尚更であります。紫外線はフィルムを高濃度で黒色に着色してしまえば限りなく100%に近く遮断は可能なのですが、同時に可視光線も遮断してしまので黒色フィルムだと「中の木材が見えない」「ハンドリングが荒くなる」等の問題があるそうです。(ブルーシートでも同様の問題点があるそうです。)
そこで、弊社UVカットフィルムのお引き合いを頂いたようなのです。紫外線をカットし、かつ透明で中の木材が確認できることがテーマでした。当社の「UVカットポリエチレンフィルム」の性能とテーマが合致したわけです。このお引き合いは、当社のスタッフでは、想定も出来ない業界から、発想も出来ない用途でのお引き合いであったのです。
この『紫外線カット』というテーマだけではなく、『お困りのお客様の中には、それぞれの業界毎に特有の問題があり、それが弊社の商品開発や新たな商品展開につながるテーマがあるのでは?』と感じます。問題やテーマがありましたら是非ご相談下さい。この様なご相談が大変有用でかつ貴重な勉強をさせていただく足掛かりとなります。我々も一緒になって問題解決へ取り組ませて頂きます。