13. 袋に付着している微生物について(医薬品包装向け)
◆ 微生物はほとんど存在しません!ってホント?
ポリ袋の内面は「樹脂を高温で( 180 ℃)溶融させインフレーション工程しているので、微生物はほとんど存在しません」のような会話が現実にお客様に説明されているケースがあります。
これは全く根拠の無い話です。
何故ならば、ポリエチレンチューブは確かにはじめにもご説明しました通り約180 ℃加熱されておりますが、インフレ工程ではエアーにより溶融した樹脂を吹き上げております。
何故ならば、ポリエチレンチューブは確かにはじめにもご説明しました通り約180 ℃加熱されておりますが、インフレ工程ではエアーにより溶融した樹脂を吹き上げております。
従いまして、チューブを造る最初のバブルには工場内の雰囲気エアーが閉じ込められており、その後のバブル調整用のエアーはコンプレッサーにより送りこまれたエアーです。
バブル内は温度的にも微生物が死滅する温度では決してありません。
要はエアー管理していないものは、一般環境下の商品と全く変わらないのです。(ただし、微生物が生存するかしないか?という問題ではありません。)
通常インフレで使用されているエアーに除菌可能なフィルターが使われているケースは稀で(クリーンルームで使用するHEPAなどではありませんので)、5 μm・ 10 μmといったような比較的大きな粒径のパーティクルの侵入があります。
よって、医薬品包装には最低 0.3 μm以下のフィルターによりインフレーションエアーの濾過の必要が不可欠です。
また、袋の表面はインフレ工程、製袋工程、印刷工程など数種類の工程の中で、ニップロールやテンションロールなどのさまざまなロールに接触汚染しており、これらのロールは各工程の作業雰囲気、清掃基準により大幅に汚染状況も変わります。
あまり考えたくないのですが、原反をフロアに直接置くケースもあり、原反を包装するため、作業室に 1 日 2 日と放置する状態もあります。
よって、生産環境・生産手順・清掃手順(まめにロール等の消毒)が大きく左右するのです。